東京のゲリラ豪雨のシミュレーション                   平成22年4月26日 更新


最新の都市気象モデルを用いて東京のゲリラ豪雨のシミュレーションを行ってみました。
ルーチン天気予報では考慮されていない、都市気象の3要素、をモデルに組み込みました。

(1) 都市キャノピーモデル
建物による抵抗や街区での放射などが考慮されます。
 (Kusaka et al. 2001)

(2) 人工廃熱時空間分布
夏期の日中、冷房使用により市街地では短波放射に匹敵する人工廃熱があります。
下は8月の人工廃熱(左:顕熱、右:潜熱)の日変化です。

(NICT小田氏提供, Moriwaki et al. 2008 WRR)


(3) 建物による地形の隆起
大手町など密集した建物によりその地形は実質上20m〜30mも隆起したことに相当します。

左:標高のみ  右:標高+建物の隆起



東京夏季集中豪雨解析結果

白い部分は雲を、水色の部分は降雨の起きている箇所を示しています。

左:現行の都市気象モデル  右:最新の都市気象モデル
(下重 2009年修士論文)

最新の都市気象モデルで都市の影響をよりリアルに表現すると、集中豪雨が都心部で強まる様子が見えます。


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